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麦粒雑記

麦粒(ムギリュウ)が日々の出来事をあれこれ綴るブログ。

国際版画美術館へ

町田市 美術

町田市立国際版画美術館!!

〈江戸ノスタルジア〉と〈追悼・木村利三郎〉を見る

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 この日は、町田市立国際版画美術館に行ってきた。

 この美術館は国内でも珍しい版画を専門に扱った美術館で、27,000点もの版画が収蔵されているという。

 

 で。今回は偶然、現在の企画展江戸ノスタルジア〉のギャラリートークを聞くことができたので、それについてまずは書こうと思う。

 

 そもそも今回の企画〈江戸ノスタルジア〉とは何かといえば。 

 明治時代に描かれた江戸時代をテーマに扱った展示会で。

 特に楊州周延という絵師の作品が多く展示されていた。

 

 この楊州周延

 歌川派の門人として絵を学び、幕末には神木隊に属して戦に参加していたこともある絵師らしいのだが。どうやら明治の浮世絵師としては4番目ぐらいの知名度らしく。

 今回の企画のために集まった資料も少なく、一番しっかりしたものはアメリカの研究書だったとも言っていた。

 

 ちなみに。

 周延の作品は約870点知られているが、そのうちこの版画美術館には270点が存在するという。

 

 そんな周延を含めた、明治の浮世絵師だが

 よく使っていた色が赤色であったらしい。

 これはどうやら西洋からアニリンなどの発色がよく、安い合成染料が入ってきたことに影響されているのだという。

 これによりベロ藍などの藍色を多く使った幕末と絵の雰囲気が違っているようだ。

 

 また、明治に入って画題も変化したらしく。

 今回のように江戸を懐かしむ絵も多く描かれた一方で〈開化絵〉と呼ばれる文明開化をテーマにした作品も多くつくられている

 また、江戸をテーマにした作品でも、江戸時代では描くことができなかった江戸城内での政治に関する絵や、大奥の絵も描かれるようになったという事もあるらしい。

 

 今回のギャラリートークでは。

 江戸城内の絵が明治22年(1889年)前後に制作されたものが多い事を。

〈江戸会〉という江戸時代についてまとめる組織が明治22年に発足していることも考えると、この頃に世間で江戸時代を見直す風潮があったのではないかと推測していたりもした。

 

 と。

 こんな明治時代の浮世絵だが。

 実際に作品を見てみると、発色も良く、構図も面白く、また描かれている人物の表情やしぐさが生き生きとしていて、中々魅力的だった。

 

 特に僕が興味を持ったのは。

 美人画や大奥を描いた作品の女性が着ている着物の柄で。

 

 一方では模様によって身分や、どんな家の出身かが分かるのではないかという知識面での好奇心が刺激され。

 もう一方では、自分が絵を描く際に、こういった緻密な模様を描き込んでみたいという創作意欲を刺激されたのだった。

 

 この展示会。

 来月9日までやっているので、興味がある人は是非、見に行っていただきたい。

 

 また同じく来月9日まで。

 木村利三郎さんという2014年に亡くなった作家さんの展示会も常設展の方で開かれているのだが。

 

 この作品が、僕はとても気に入っていたりする。

 今回。版画美術館に行くまで、僕はこの利三郎さんの作品を見た事がなかったのだが。

 

 まずポスターを見て「これはよさそう」と思い。

 実際に作品を見て「こんなに凄いものがあるとは!!」と思ったのだった。

 

 また、どうやら利三郎さんは美術評論家を目指すために、自らも作品制作をするようになったという経歴の持ち主らしいのだけれど。

 僕自身、色々なタイプの作品を制作しているのが、創作活動を研究するためという目的もあるので、この辺りには好感を持てたというのもあったりする。

 

 今後、この人の作品が展示される機会があれば、是非、見に行きたいものだ。