麦粒雑記

麦粒(ムギリュウ)が日々の出来事をあれこれ綴るブログ。

『太郎と爆発』を読む!! 

またまた岡本太郎関連!!

『太郎と爆発 来たるべき岡本太郎へ』を読む

 さて、今回は先日読んだ太郎と爆発 来たるべき岡本太郎の感想を。

 この本は椹木野衣という方の書いた本で、この人は日本の現代芸術に関して色々な面で活躍している方のようでした。

 

 さて、この本で個人的に気になった点だけですが、ちょっと書かせてもらおうかと思います。

 

 まず、1996年1月7日の岡本太郎の亡くなった日に隕石があったという話。

 僕は今まで3回岡本太郎のお墓参りに行っているので当然命日は知っていたのだけれど*1隕石については知りませんでした

 

 で、試しに検索しようとしてみると〈1996年1月7日〉と打ち込んだ段階で検索候補に〈隕石〉と上がるという……で、どうやらこれは〈つくば隕石〉というもののようでした。

 そしてなんと、この隕石は破片が回収されており、地質標本館で見ることができるという……これは見たいと思いました。

 

 次にお笑いか教祖か前衛かというタイトルと、この章に関して。

 あくまで個人的な意見だけれども、そもそも芸術家、あるいは作家などの行為は宗教に通じるものが多く

 宗教、あるいは何らかの信仰では教えや歴史を伝えるために、物語(史実、神話どちらも)を語り、宗教画神像のようなものをつくり、音楽を奏でたり歌ったりし、また儀式として舞ったり、特殊な衣装を身に着けたりもするので。

 芸術家が〈教祖〉のように宗教関係に近くなるのはあり得る事だとも思いました。

 

 まあ、僕の場合はいわゆる〈オタク文化〉がそれに近い感じがあり。

 オタク文化と捉えられる日本のサブカルチャー*2物語(イラストやフィギュア)、音楽は当然あり。

 またコスプレのように〈架空の人物の衣装を着て、それになりきる〉という事もするので、比較的近いかと思っています。

 そもそも熱心なファンを〈信者〉と言ったり、舞台になった場所を巡るのを〈聖地巡礼〉と言ったりもするので、まあ、何か似ているのかもしれません。

 

 この辺りについてはこの本ではなく、別の、いくつかの本で触れられているのを読んだことがあったので、その影響もあるのですが……。

 

 まあ、それはともかく。話を本の内容に戻して。

 1968年の銀座での個展で既に岡本太郎は〈太郎爆発〉という個展を開いていたという話。

 有名なCMの「芸術は爆発だ」は1981年なのでかなり前から岡本太郎は〈爆発〉を使っていたことになるようです。

 

 ちなみに、一応補足しておくと。

 岡本太郎のいう爆発というのは、破壊的なものではなく、『自分の中に毒を持て』によれば〈全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくことらしいです。

 

 で、この〈爆発〉の反対としてこの本では〈進歩〉や〈調和〉を扱っていて、これは1970年の大阪万博のテーマ「人類の進歩と調和」とかかっている訳です。

 で、個人的にこの後の芸術の進歩」というものに対して否定的な意見の見える部分に関しては、一理あるけれども、一方でそうだともいえないという不思議な感じがあり。

 

 確かに、過去の優れた作品と現代の優れた作品を並べて、優劣をつけるのは不可能だと思うので、別に〈進歩〉はしていないと思う反面。

 前の人から受け継いできたものを先に進めたいという気持ちもあるので、この辺り、考えてみると面白いかと思いました。

 

 で、この後に哲学者ヘーゲルや、バタイユの話題が出てきて個人的には哲学や思想が好きなので非常に興味を持ったのですが。

 これだけ岡本太郎を気に入っていながら、僕自身バタイユの思想についてはあまり知らないという事に気がつきました。

 

 また、ここでヘーゲルバタイユを繋ぐ人物として登場したアレクサンドル・コジェーヴという人についてはほぼ始めて名前を知ったので、興味を持ったというのもあります。

 

 さて、次は「日本は〈東洋〉ではない」という意見に関して。

 これは岡本太郎の日本文化論についてなのですが、こちらの方も僕は〈岡本太郎の関連書籍〉で触れた程度でまだ岡本太郎本人が書いた日本文化論は読んでいないという……。

 

 ただ、僕自身がどうも作っている作品(特に抽象的な絵画)に関しては、何故か東南アジアやポリネシアオセアニア、あるいは中南米の作品に強く影響を受ける傾向があり。

 何となく、日本を含めた環太平洋の文化圏を気にしているので、近いうちに読みたいかと思っています。

 

 その後の岡本太郎漫画の関係も気になりました。

 確かに、岡本太郎の父、岡本一平は漫画家なので、太郎は幼い頃から漫画に影響されて育っていると考えると。

 現代の作家さんに通じる部分があるのではないかと思えたりもして興味を持ちました。

 

 まあ、そもそも漫画が芸術かというのが面白いテーマで。

美術手帖では2006年に漫画は芸術(アート)か?というテーマを扱っており、2012年には漫画家の荒木飛呂彦先生を扱っていて、2016年にはバンド・デシネを扱っていたりします。

 ちなみに「土浦桜くらべ展覧会」に荒木飛呂彦先生の作品が展示された際は〈漫画アート〉と展示されていた覚えがあります。

 

 と、話は逸れましたが、最後に万博会場において〈太陽の塔〉は〈巨大な空洞〉だったのではないかという説について。

 これはあり得ると僕は思いました。

 

 縄文時代環状集落というのがあり、これは村の中心を広場や共同墓地として建物を建てなかったというもので。

 墓地というのはどうやら中心を、先祖のいる場所としていたらしいという事なのですが。

 

太陽の塔〉内部には生命の樹〉のような生物としての先祖を現すものや、儀式の仮面や神像のようなを現すものが展示されていたので。

 何かその辺りを考えると中心は〈空洞というイメージだった可能性もあります。

 

 また存在した場所がお祭り広場という名称であり、これを祭りのための広場と考えるならば。

 本来何もない場所の方がふさわしいと考えた可能性もあると個人的には思ったというのもあります。

 この辺りは本にも書かれていたように沖縄の〈御嶽〉などからのイメージです。

 

 ……と、このような感じで、中々興味をひかれる内容の多かった一冊でした!!

 他にも様々なことが書かれていたので、興味を持った方は実際に読んでいただきたいと思います!!

*1:ただし、お墓参りに行ったのは1回が夏至、2回が岡本太郎の誕生日なので命日に行った事はなかったりするのですが

*2:そもそも〈オタク文化〉が〈サブカルチャー〉なのかというところから考えたいところですが、今回は置いておくとして