麦粒雑記

麦粒(ムギリュウ)が日々の出来事をあれこれ綴るブログ。

自分の理想……と〈微妙に〉違う

ワンダーウーマン』を見る

主人公、敵、双方好みとかすってはいるのだが……

  この日はワンダーウーマンを見ていました。

 毎度の映画の感想通り、今回もネタバレがある事。

 またカテゴリーに厳密には違うのですが、自分のブログの性質上、こちらとの比較も興味がある人も多いと思うので〈特撮〉が入っていることは、先に書いておきます。

 

 ネタバレについてはラストの展開もあるので、気を付けてください。

 

 では、まず。

 最初に気になったことから。

 

 まずアメコミにおける神話の扱いがこの映画を見て気になっていまして。

 DCコミックスの場合、ギリシア神話由来のワンダーウーマンが活躍していますが、一方マーベルだとソーなどが北欧神話由来ですが*1

 

 科学などの要素もある世界において、神話(しかも多神教)的世界はどういう扱いになっているのか*2とか。

 実際の神話とアメコミ作品内での設定の共通点や相違点はどうなっているのかとか。

 この辺りは見ていてちょっと気になっていました。

 

 次に、この映画は第一次大戦を舞台にしていて、そこは映画のテーマとも一致していたと思うのですが。

 DCコミックスあるいは現実の歴史を知らないと「結局、この人は何故こんな思想を持っていたのか?」謎のままの人がちょっといた気がしました。特に敵側であるドイツ軍に。

 

 まあ、テーマとして「人間同士の戦争にわかりやすい悪はない」というのがあったと思うので。

 何故かわからないが、戦争を良しとする人たちがいて、おそらく彼らもそういう道に進むまでに何かあったのだろうと匂わせているため、そういう表現だったとも思えるのですが……やはり気になっていたりします。

 

 で、これに関して。

 最近たまたま読んでいた哲学の本で、こちらは第二次大戦の話だったのですが。

「人間というのは戦争のような悪事に加担した者をわかりやすい〈巨悪〉に仕立てたいものだが、実際に戦争に加担していたのは、ただ上の命令に従っていただけの〈陳腐な悪〉だった」という話があり。

 

 最初、ワンダーウーマンであるダイアナが軍神であり悪しき神であるアレスを倒せば世界は平和になるとしていたのは、単に彼女が閉鎖された世界で育ったからというよりは。

 現実的に、戦争やあるいは政治的問題が発生した際に、誰か一人あるいは数人の主犯的存在だけに罪を被せ、他は巻き込まれただけの被害者として扱う風潮はあるので。

 そのことを表現しているのではないか、とも思いました。

 

 後は、ワンダーウーマンのようなヒーローを〈超人兵士〉あるいは〈人型兵器〉として考えた場合の有用性と危険性ですかねぇ。

 作中のワンダーウーマンは善良なので、一人圧倒的に優れた超人兵士がいたら、そちらを敵が注目するので、結果として敵の戦力を削げるという方向で描かれていましたが。

 

 悪人、例えばテロリストのような人が超人兵士になった場合

 別段、強力な武装をする必要もなく、敵の中に入り込み、都市などを壊滅させることができるという……。

 こうなると、仮に世界大戦の際に大量破壊兵器ではなく、超人兵士が主力になった世界だと、軍事はどう変化したのか……というフィクションは見てみたいです。

 まあ、自分は軍事や歴史は疎いので、そもそも想定するためのデータが足りないのですが。

 

 さて、ここからブログのサブタイトルにある理想と微妙に違うという件について。

 僕自身はカッコいい女性戦士は好きで、一方悪の目的が世界のために人類を滅ぼすというのも理解できるのですが。

 どちらも、微妙に好みと違っていて。全く違うなら気にならないのですが、微妙な違いなので逆に気になって面白かったという。

 

 まずワンダーウーマンについて。

 彼女が〈女性だけの島〉で育っているので、あの鎧は仕方がないというのはあるのですが……個人的には胸の形がわかる鎧はあまり〈カッコいい女性ヒーロー〉のデザインとしては好んでいなかったりします。

 ただ、女性だけの世界で男性を意識する必要性がないと、女性の体型が基本になり胸は形のままに覆うのが普通になると思うので、この点はまあ、仕方がないかと思います。

 

 で、彼女については行動の動機が戦いののち「愛による世界平和」になっていることが自分の好みと違う理由です。

 ラストの方で恋人が毒ガスを積んだ飛行機を爆破して死んだ際に、激昂したようになり、敵を倒したこと自体は良かったのですが。

 個人的には「世界の平和など知ったことか、貴様は私を怒らせた」という理由だけで敵を倒すヒーローの方が好みだったりします。

 

 で、一方の悪役であるアレスですが。

 実のところ、人類を滅ぼせば世界は平和になるというのは自分の考えと同じなので、それ自体は悪とはいえ支持したいというのはあるのですが。

 

 所詮は神であり人間ではないので「人間が邪魔」であり「人間がこれ以上苦しまないために、人間を滅ぼそう」ではない点や。

 また、人間と同レベルの思考しかしておらず、人間がここまで栄えるのを止めることもできなかったくせに、人類を滅ぼした罪を背負うという覚悟もないのがアレスを支持できない理由です。

 

 こうなると自分にとっての理想のヒーロー作品は。

己の怒りによって敵を倒す女性ヒーローVS人類愛によって人類を滅ぼす悪

 というものになるのですが。

 

 この辺りから考えると、自分のなりたいと願う理想の人間像自体が「他者のためではなく、あくまで己の欲のためと割り切って行動する人であり。

 一方、今のまま進んだ先にある自分の未来は「たとえ自分を犠牲にしてでも人類滅亡させて救済しよう」になるという……。

 

 と、この辺りに気が付いた点で、この映画の主人公と敵の関係は非常にためになったというのがあります。

 

 今後、できればこういう女性ヒーローが活躍する話を、自分自身も書いてみたいと思っているのですが……どうなるか、ご期待ください。書かないかもしれないけど。

*1:そもそも僕自身アメコミには詳しくないので、それ以外の神話由来の存在もいるかと思っています。軽く調べたところ、アレスに関してはDC、マーベル双方にいると出てきました

*2:この辺、日本のフィクションだと同時にいくつもの神話や宗教の存在がいて、しかも科学もあるみたいな作品も多いのですが、これもそれぞれお互いの関係がどうなっているのかが違うので。調べてみると面白いと思っています